ミステリーアドベンチャーゲーム・Return of the Obra Dinn(オブラ・ディン号の帰還)のキャラクター解説コーナー。
今回はオブラ・ディン号のキング・オブ・クソ、エドワード・ニコルズ二等航海士の解説だよ。

時は1802年。200トン以上の交易品を積んだ商船「オブラ・ディン号」が、ロンドンから東方に向けて出港した。その6か月後、同船は予定されていた喜望峰への到達を果たさず、消息不明扱いとなった。 そして今日、1807年10月14日早朝のこと。オブラ・ディン号は突然、ファルマス港に姿を現す。帆は損傷し、船員の姿も見えない。これを受け、東インド会社ロンドン本社所属の保険調査官が、ただちにファルマス港に派遣された。同船内を直接調べ、損害査定書を作成するために――。 「Return of the Obra Dinn」は、探索と論理的推理で展開する、一人称視点の謎解きミステリーアドベンチャーゲームである。
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Contents
エドワード・ニコルズ

二等航海士。オブラ・ディン号のNo3にあたる。作中屈指のクズ人間。
彼より等級が低い三等航海士、マーティン・ペロットよりもかなり若く見えることから、ズル賢く出世しているのでは?と思う。それか単にマーティンが出世に興味ないだけ。
ニコルズのやらかし事案集
ニコルズはストーリーの中でかなりいろいろやらかしている。
そのクズ事案集を紹介するよ☆
ラウ・ホクセンを襲い、勝手に積荷を見る

積荷の警護をしていたラウ・ホクセンを襲い、勝手に積荷を見るという、航海士としての資質が問われるやらかし。
わざわざラウ・ホクセンを殴ってまで積荷を見ているあたり、最初から箱に狙いをつけていたのだろうか。
まぁニコルズなら常日頃から乗客の荷物をちょっとネコババしててもしょうがない気がする、ニコルズなら。
うっかりやって来たヌーツィオ・パスクアを殺害

そこへ自分の積荷を確認しにきたのか、運悪くやってきたのがヌーツィオ・パスクアさん。

なぜかニコルズがいることを明らかに不審がっている。そりゃそうだ、ここは乗客用倉庫なので、航海士のニコルズがいるのはかなり不自然。
おまけにラウ・ホクセン倒れてるのも見ちゃったからね。パスクアさんが殺されるのはこの時点で必然になってしまったのである。
パスクア氏殺害の罪をラウ・ホクセンに着せる

しかしこれで終わらないのがニコルズ。パスクア氏殺害の罪をラウ・ホクセンに着せるという、見事なまでのクズ回避。ヤバすぎワロタw
船長もその言いぶんを信じたのか、ラウ・ホクセンは銃殺刑に。きっとニコルズは船長の前ではすっげー猫かぶってるに違いない。
それにしても、あのときパスクアさん現れなかったらニコルズはどうしてたんでしょ。倒れたラウ・ホクセン放置してそのまま立ち去ったのかな。
ラウ・ホクセンの倒れ方から見て、殴った人(ニコルズ)を見ていないとは思えないんだけどな…。それとも、ラウ・ホクセンが騒いだところで自分が糾弾されるわけはないとタカをくくっていたのか。うーん。
どっちにしろ、気の毒なパスクアさんが現れたことで、ニコルズにとっては渡りに船な状況になった。
チームと人質を連れ、船から逃走

それからほどなくして、ニコルズはチームを引き連れ船を離反。フォルモサの王族を連れ、彼らの持っていた箱やらなんやらも強奪。もうめちゃくちゃである。
ラウ・ホクセンの死体がぶら下がったままなので、おそらく船上裁判のあった日の夜とかに決行してるのかな。

このへんからだんだん、ニコルズのクズ度が一周まわってもはや面白くなってくる。
ついでに檣楼員1名も殺害

そこで止めにはいった檣楼員、ティモシー・ブーテメントを勢いあまって殺害しちゃうニコルズ。すでにいろいろやらかしてるので、強奪作戦を成功させるのに必死である。
ティモシー以外にも甲板には何人かいたようで、殴られたりなんたりしたせいかちょっと放心状態。操舵手のドルトンさんにいたっては足を槍で刺されとる。痛そう。


にしてもなかなか強引な離反計画だよなぁ。第4章[出現]・その1の会話でも言っていたけど、ちょうどこのポイントで決行するのがベストタイミングだったんだろうね。用意周到なんだかそうでもないんだか。
怪物出現!しかし何もせず
オブラ・ディン号を離れ、カナリア諸島を目指しているところに、怪物出現!ボートの上は大混乱である。
銃を持っているのはニコルズだけのようで、ギャリガンに「サー・ニコルズ!早く撃ってください!」と言われたときのニコルズがこちら。

完全に役立たずである。
あからさまな雑魚キャラの態度すぎてもう爆笑。これにはさすがのギャリガンもあきれたに違いない。
チームメンバーの死体を海に捨て、怪物を連れ帰る
いよいよニコルズ最大にして最後のやらかし事案である。
イトベンが箱に手をつっこんだことで謎の力が発動、怪物は急にもだえ苦しんだあと、めちゃくちゃ大人しくなったようである。
そこへ待ってました!とばかりにニコルズがクズ行動開始。

なんと死んだチーム・ニコルズメンバーの死体を海に捨て、怪物の死体をボートに引き揚げはじめたのである。さっきまで頭かかえてうずくまってたくせに、切り替えの早いこと早いこと。
チームメンバーの死体を捨てたのは、怪物を連れ帰るにはボートでは定員オーバーだからだろう。あれだけ尽くしていたように見えるギャリガンの死体もあっさり捨てられてしまった。ほんと、ギャリガンは報われないヤツである。
そんなニコルズでも、さすがにフォルモサ王族の死体を海に捨てるのはマズイと思ったのか、リムさまとイトベンの死体はちゃんと連れ帰っている。

フォルモサ王族の死体まで海に捨ててしまうと、完全にニコルズの責任になってしまうが、彼らの死体を調べれば怪物にやられたことが分かる?ので連れ帰ったのかな、という考えです。とりあえず、ニコルズが自分の保身のために行動しているのは間違いない。
「降伏する!宝を持ってきた!」
そしていけしゃあしゃあとオブラ・ディン号に帰ってきたニコルズ。最後の言い分はこちら。
待て!撃つな!
降伏する!宝を持ってきた!
マジでどこまでもクズだなぁ。宝ってなんだよ。
宝が怪物を指してるのであればなかなか無理があるし、フォルモサの人が持ってた箱を指しているのであればそれはもとからオブラ・ディン号にあったものだぞ。持ってきたっておかしいやろw
このあと問答無用でタン・チョウさんに射殺されました。さよならニコルズ。

ニコルズに思うところ
さて、さんざんニコルズをクソだと言い続けましたが、そんな彼にも少し思うところがあります。
普通は戦えないよ、怪物と
怪物出現時、まったくの役立たずでうずくまってたニコルズ。たしかに臆病者のクソ野郎である。
でもね、よーーく考えてほしい。
こんな怪物があらわれて

百発百中でやり投げしてきて

狭いボートの上で戦えー!って言われて、戦えます??
たぶん現代人の9割はニコルズと同じ体勢になると思う、もちろんわたしも。
このあとも、こんな怪物や

船より大きなクラーケンが現れて

よくみんな戦えるよなーっていうのが、正直な感想です。もうクラーケンとか、剣や銃が効くとは思えないしね。
ただしニコルズは曲がりなりにも二等航海士だから、ぜったい戦闘訓練とか受けてるはずなんだよなぁ。やっぱりあいつは臆病者だ。
極端なヒールほど、キャラがたつ
これはどんな作品にも言えることだけど、悪役ほどキャラが立って作品がよりおもしろくなるよね。
ニコルズも行動や言動のひとつひとつがクズすぎて、もはや一周まわって清々しいもん。見ていておもしろい。
それに、ニコルズだけで3000字くらい語るネタ記事も書けちゃうくらい、ネタには事欠かない。ありがとうニコルズ。この記事はあなたがクズすぎるおかげで書けました。

Return of the Obra Dinn(オブラ・ディン号の帰還)をプレイしよう!
クソなニコルズが大活躍するReturn of the Obra Dinn(オブラ・ディン号の帰還)、気になった方はぜひプレイしてみてください!
ニコルズ以外にもおもしろい&活躍するキャラクターがたくさんいるので、ぜひ細かいところまで堪能してみてね。
考察サイトを回っていて、ここに流れ着きました。笑
初コメント失礼します。
ニコルズの言っている宝は、フォルモサの貝殻もそうでしょうが、人魚のつけていた貝殻や人魚の身柄という意味もある気がしています。
ニコルズが人魚の体を船に乗っけているあたり、2体ほどが同じ貝殻を頭につけています。なおかつ当時は航海が発達し始めたばかりです。海のなかに人魚がいることを証拠とともに持ち帰れば(女王に献上すれば)、かなりの英雄ものですし、部下たちも名誉ある犠牲、となるからではないでしょうか?
はじめまして、コメントありがとうございます!
なるほど、人魚や貝殻も総称して、宝という言葉を使っているのですね。
現代人わたしの感覚からすると、人魚を宝と認識する発想がなかったです…。盲点😅
いくら弱っているとはいえ、あんな恐ろしい怪物をボートに乗せて持って帰るのもちょっとやだなぁと思います><
そのあたりは、ヘタレのニコルズも肝が据わってるような気がしますね。