考察

#5【考察】Return of the Obra Dinn(オブラ・ディン号の帰還) 怪物トリオの正体

ReturnoftheObraDinn・考察アイキャッチ_5

ミステリーアドベンチャーゲーム・Return of the Obra Dinn(オブラ・ディン号の帰還)の考察を、連載形式でやっています。

#5はオブラ・ディン号の帰還に登場した怪物たちの正体について考察します。

時は1802年。200トン以上の交易品を積んだ商船「オブラ・ディン号」が、ロンドンから東方に向けて出港した。その6か月後、同船は予定されていた喜望峰への到達を果たさず、消息不明扱いとなった。 そして今日、1807年10月14日早朝のこと。オブラ・ディン号は突然、ファルマス港に姿を現す。帆は損傷し、船員の姿も見えない。これを受け、東インド会社ロンドン本社所属の保険調査官が、ただちにファルマス港に派遣された。同船内を直接調べ、損害査定書を作成するために――。 「Return of the Obra Dinn」は、探索と論理的推理で展開する、一人称視点の謎解きミステリーアドベンチャーゲームである。

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【考察】呪われた獲物の正体

オブラ・ディン号の帰還_呪われた獲物の正体

まずは第4章[出現]で出現したコイツについて考察。上半身は人間っぽいけど、下半身は思いっきり魚類である。

海の中から突如出現し、やり投げ、爪裂き、トゲ飛ばしなどなんでもアリのスタイル。

オブラ・ディン号の帰還に登場する怪物の中では一番人間に近しい気はするけど、顔と叫び声がおそろしいったらありゃしない。

正体は人魚説

半人半魚と聞いてまず思いつくのは、やっぱり人魚だよね。

人魚(にんぎょ)は、水中に生息すると考えられた伝説の生物である。世界各地に類似の生き物の伝承がある。それらがすべて同一の種に属するという保証はないが、ここではそれらを総称して人魚と呼ぶ。

人魚 - Wikipedia

西洋の人魚、東洋の人魚

オブラ・ディン号の帰還_呪われた獲物の正体2

でもなんだろう、この怪物を人魚と呼ぶことにかなり違和感を感じる。なんでだろう、やっぱり顔がビックリするくらい怖いからかなw

一般的に人魚というと、金髪でセクシーで、妙に色気のあるお姉さんを思い浮かべる人が多いと思う。もしくはリトル・マーメイド。

どっちにしろ、人魚といえば美女のイメージが強い。間違ってもオブラ・ディン号の帰還に登場するような、半分オッサンの顔をした人魚を思い浮かべる人は少ないはず。というか、これが人魚だなんてちょっと信じたくないw

オブラ・ディン号の帰還_呪われた獲物の正体3

じゃあこの怪物は人魚ではないの?と言われると、そうとも言い切れない。英語のWikiサイトにはしっかりmermaidと記載されてるし。

そこでいろいろと考察した結論としては、この人魚は東洋の、もっといえば中国の人魚ではないか、という結論である。

Wikipediaさんもおっしゃってるように、人魚伝説は世界各地に存在する。ヨーロッパに限らず、アジアやアフリカ、中南米にもあるらしい。ちなみに日本にも、古来から人魚伝説が存在するそうな。

先ほど挙げた人魚=美女というイメージは、おもに西洋の人魚に対するイメージだ。美しい姿と声で船乗りをまどわす、というのがだいたいの国で共通項としてある。

一方、今回とりあげる中国の人魚伝説には、人魚=美女というイメージはほとんどない。むしろ姿は魚で顔だけ人間の人面魚だの、ウロコや毛が生えた半魚人だの、まるでおぞましい怪物かのような描かれ方をしている。

おやおや、そういう怪物どこかで見たことがあるね。

そしてなぜ中国の人魚だと思うかと言われれば、もちろん彼らのせいである。

オブラ・ディン号の帰還_フォルモサの王族たち

厳密にいえばフォルモサ(台湾)なので若干語弊があるかもしれないが、まぁルーツを辿ればほぼ一緒だろう。言葉も通じているようだし。

それはおいといて。この人魚とおぼしき怪物は、フォルモサの王族が持ち込んだ箱(ひいては貝殻)に引き寄せられるようにしてやってきた。ということは、フォルモサからはるばる箱を求めてやってきた、東洋の人魚であってもおかしくない。

オブラ・ディン号はイギリスの商船であり、手記の持ち主であるヘンリー・エバンズ医師もイングランド人である。西洋人からすれば、得体の知れない異国の怪物はかなりおぞましく見えたはずだ。ちょっと脚色して、実物より醜く描かれている可能性もありそう。

今回参考にさせていただいた下記のサイト様に、中国の文献に描かれた人魚のイラストがある。オブラ・ディン号の帰還に登場する人魚とおぼしき怪物ほど怖い顔ではないが、造形は結構近しいものがある気がする。おっぱい丸出しだし。

気になる方はぜひご覧ください。

参考サイト様:https://chkai.info/chinese_mermaid

不吉の象徴

トーマス・セフトン死亡

西洋と東洋でかなり姿かたちに違いがある人魚だけど、おもしろいことに不吉の象徴というイメージは共通しているらしい。アンデルセンの童話「人魚姫」もハッピーエンドではないしね。

伝説上でも、人魚を殺せば災いがふりかかったとされているし、逆に丁重に扱えば不老不死なんかの恩恵を得られたとか。

オブラ・ディン号がたどった結末とまったく同じじゃねぇか!

正体はセイレーン説

前段の考察で、ほぼほぼあの怪物は人魚(東洋の)説が濃厚ですが、もうひとつ仮説を立ててみました。

初めてオブラ・ディン号の帰還でこの人魚っぽい怪物を見たとき、わたしはなんかセイレーンっぽいなと思ったのであります。

セイレーンは、ギリシア神話に登場する海の怪物である。複数形はセイレーネス。上半身が人間の女性で、下半身は鳥の姿とされるが後世には魚の姿をしているとされた。海の航路上の岩礁から美しい歌声で航行中の人を惑わし、遭難や難破に遭わせる。歌声に魅惑された挙句セイレーンに喰い殺された船人たちの骨は、島に山をなしたという。

セイレーン - Wikipedia

もとは半人半鳥の怪物だったらしいが、なんやかんやで半人半魚になったらしい。結構定義があいまいな怪物。

なぜセイレーンっぽいなと思ったかといえば、セイレーンを題材にしたハーバート・ドレイパーの「ユリシーズとセイレーンたち」という絵の構図が、どことなく[出現]シーンの怪物たちの登場シーンと似ているな、と思ったからである。

オブラ・ディン号の帰還_呪われた獲物はセイレーン説

いまにも乗員に噛みつきそうなかんじとか、なかなか似てるじゃろ。

他にも、いくつかゆるい共通点を見つけたので紹介します。

セイレーンは2〜5人姉妹

オブラ・ディン号の帰還_呪われた獲物はセイレーン説

セイレーンは姉妹で構成されているそうだ。何人姉妹かはいろいろと説があるらしいが、だいたい2〜5人姉妹みたい。

オブラ・ディン号の帰還に登場した怪物たちも、セイレーンの特徴である3人組で登場していた。女性なのか?というところははなはだ疑問だが、英語Wikiサイトの情報を頼るのであれば、女性説が濃厚である(mermaid表記のため。男であればmerman表記のはず)。

人魚が群れないかといわれればちょっと何とも言えないが、明確に姉妹とされているセイレーンの方が、ちょっと近い気がする。

【番外編】ウィッチャー3のセイレーン

いきなり全く別なゲームのネタで申し訳ないけど、ウィッチャー3というゲームにもセイレーンが登場します。

ウィッチャー3のプレイ日記も書いてます。セイレーンのせいでちょっとひどい目にあったことも。よかったら見てね!

ウィッチャー3・デスマーチ2周目アイキャッチ_3
#3【プレイ日記】ウィッチャー3(PS4)灯台にハマったセイレーン(バグ) 【デスマーチ2周目】ウィッチャー3・デスマーチ2周目のプレイ日記です。サイドクエストをこなしつつ、のんびりスケリッジを探索。スケリッジではおなじみのあいつがバグをかましてくれました。...

おもに船で海を渡っているときや、海辺を探索しているとかなりの確率で遭遇します。空も飛べるし海も潜れるし、なかなかうっとうしい。

でね、このセイレーン、倒すとドロップアイテムで貝殻落とします。

オブラ・ディン号の帰還_ウィッチャー3_セイレーンの貝殻

まじかぁ!!セイレーンと貝殻って実は関連あるの!?

と思っていろいろ調べたけど、関連性は見つけられず。でもオブラ・ディン号の怪物も腰に貝殻ついてたし、セイレーンの可能性もちょっと上がってきた。元ネタが他のゲームっていうのがちょっとアレやけど。



【考察】海の兵たちの正体

お次は第6章[海の兵たち]に登場した、なんとも言えない造形のこいつら。

オブラ・ディン号の帰還_海の兵たちの正体

最初は上半身が人で下半身がカニの怪物かと思ったけど、どうも違うみたい。カニの上に人のような怪物が乗っている、という表現の方が正しそうだ。

で、このカニに乗った人型戦士の正体がさっぱり謎です。なんかモジャモジャに覆われてるし、目ん玉みたいなの飛び出してるし。なんじゃこりゃ。

なんとなくで説をいくつか挙げてみましたが、完全に憶測の域を出ないです。ぜひみなさんからの考察コメントお待ちしております(切実)。

正体は河童説

パッと思いついた正体は、河童なのでは?という仮説。

根拠はこの足。あくまでイメージだけど、河童ってこんな足してるよね。

オブラ・ディン号の帰還_海の兵たちの足

前述の人魚が、東洋からやってきた人魚という説もふまえると、西洋人にはなじみのない河童でもおかしくはないと思います。

ただ河童のシンボルである頭の皿はないし、なぜカニに乗っているのか謎だし、そもそも河童って日本の妖怪だよね?もはや中国やフォルモサ関係ないじゃんw

まぁこのカニ戦士に限っては、河童をモデルにしたオブラ・ディン号の帰還オリジナルの怪物という可能性もなくはない、かも?

正体はヤクルナ説

カニ戦士の正体を調べるなかで、ひとつ近しい特徴のある怪物の記述を見つけました。

その名もヤクルナ。アマゾンに伝わる水生生物だそうです。

アマゾンの熱帯雨林に伝わるヤクルナは、まるで陸上を鏡写しにしたかのような水中都市で暮らすとされる。王宮は水晶で築かれ、真珠や魚の鱗の装飾がある。また移動には馬ではなく、蛇、ワニ、亀を使う。

人間に似ているが、頭部や手足はかなり特徴的だ。手足にヒレがあり、肌は緑色という言い伝えもある。

世界各地で語り継がれる伝説の人型水棲クリーチャー10種

移動に他の生物を使う、人間に似ている、手足が特徴的であるという点がカニ戦士との共通項かな。カニ戦士の場合、手はほぼ人間だけどね。

オブラ・ディン号の帰還_海の兵たちの正体2

こちらも河童同様、ヤクルナをモデルに作られた怪物なのかもしれない。

正体はカニの精霊説

(この説は2021/1/13に追記しました。)

考察ネタ集めにオブラ・ディン号をウロついている最中、ちょっとカニ戦士について違和感を覚えたので追記。

というのも、この上に乗ってるカニ戦士、死体と残留思念がないんだよね。

チャールズ・ハーシュティクと相討ちで燃やされたカニ戦士の残留思念をチェックすると、チャールズとカニは確認できるけど、上に乗っていた戦士らしき人影は見当たらない。

カニとチャールズ

燃えちゃったからない、と言われればそれまでなんだけど、怪物に覆いかぶさってたチャールズがこれだけくっきり残ってるから、燃えてなくなったというのはちょっと腑に落ちない。

そしてもう一体。スミス親方と相討ちで死んだカニ戦士も同じく死体が見当たらない。カニは倉庫に保管されてるけど、上に乗ってた戦士はどこにもいない。

倉庫のカニ

カニの死骸を保管しているくらいだから、もし死体があれば、上に乗ってた人外生物の死体も一緒に保管しそうなもんだよね。あの船長ならやりかねん。

この2体のカニ戦士の死体と残留思念がないという事実から導き出した説は、カニ戦士の正体はカニの精霊だったのでは?という説である。

カニ戦士はスタンド

精霊という表現はあまり適当ではない気がするのでもっと噛み砕くと、カニ戦士はカニが作りだしたスタンドのようなもので、カニが死亡すると消滅しちゃう存在なのだと思ってます。(※スタンド分からない人はジョジョ見てね!)

この説だと、カニの死骸はあるのにカニ戦士の死体が見当たらないことの説明もつくかなと。

しかし精霊やスタンドといった、いよいよファンタジーの存在まで持ち出して考察するようになっちゃったけど、そもそもこんな人外の怪物が出現している時点でオブラ・ディン号の世界観は半分ファンタジーです。はい。

【考察】破滅に導くクラーケン

最後は第7章[破滅]で登場した巨大な怪物について。

オブラ・ディン号の帰還_クラーケン

こいつは正体がクラーケンと分かっているので、考察というより軽くクラーケンについてのお勉強。

クラーケンは北欧に伝わる「海の怪物」。タコやイカなど巨大な頭足類のような絵が多い。 中世から近世にかけてノルウェー近海やアイスランド沖に出現したと伝わる。19世紀のアフリカ南部はアンゴラ沖に現れた海の怪物もクラーケンでないかと言われている。

クラーケン - Wikipedia

タコかイカかについては、特にどっちでもいいらしい。

まぁたしかに、船をすっぽり包むくらいデカイんだから、ぶっちゃけタコかイカかなんて分からんよね。触手しか見えないと思う。

北欧に伝わる海の怪物なので、スウェーデン出身の船長付き司厨手、フィリップ・ダールさんはひょっとしたらこういう怪物の伝承に詳しかったのかもしれないね。

ダールさんについては次回の記事で詳しく考察予定です。お楽しみに!

クラーケンのWikipediaページをチェックしていたときに、航海史上最大の謎といわれた、気になる事件を発見。

その名もメアリー・セレスト号事件。コナン・ドイルの小説をはじめ、いろいろな作品で元ネタとして使われているようだから結構有名な話っぽい。わたしは初めて知りましたw

気になる方はぜひリンク先から事件概要をチェックしてもらいたい。アゾレス諸島付近で放棄された船、消えた乗員、謎の血痕など、ちょいちょいオブラ・ディン号の帰還と重なるポイントがあります。ひょっとしてオブラ・ディン号の元ネタもこれに起因するんだろうか。



Return of the Obra Dinn(オブラ・ディン号の帰還)をプレイしよう!

この記事を読んで気になった方は、ぜひReturn of the Obra Dinn(オブラ・ディン号の帰還)をプレイしてみてください。

できればこの記事のことは忘れて、新鮮な気持ちでいちからプレイしてほしい(矛盾)。

POSTED COMMENT

  1. 通りすがり より:

    こんにちは!!
    オブラディン号の帰還考察、楽しく拝読させていただきました。
    蟹戦士についてなのですが、海外の考察サイトを読んでいたところ、「4章で海に引きずり込まれたロシア人二人が、亡霊となって現れた姿では……?」という考察がありました。
    海に引きずり込まれた→浸透圧などで足が肥大化したり目玉が飛び出した、また海草が絡まってあんな姿に。そして亡霊のため(本体は海に沈んでいる)死体が残らなかったのでは……という推測だったのですが、なかなか興味深かったです。
    とはいえ、証拠不足や不明瞭な点も多いかと思いますので、こんな意見もあるのかーくらいに読み飛ばしていただければ幸いです(^^;
    これからも記事、楽しみにしております!!

    • r1sa より:

      はじめまして、コメントありがとうございます!

      なるほどぉ!大変興味深いですね!
      わたしもカニ戦士の正体はそれまでに死亡した乗員なのか?と考えはしたのですが、
      いかんせん死亡した人が多すぎるのでないかぁと思っていました。
      カニ戦士登場時点で行方不明扱いになっているのは例のロシア人ふたりだけなので、カニ戦士の数と合うんですよね…。
      かなり考察しがいのある説だと思います。

      これからもおもしろいと思っていただけるような記事を書いていきますので、遊びにきていただけると嬉しいです♪

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