考察

【キャラ考察】アガサ・クリスティ-ABC殺人事件(Switch)〜ミステリを名作たらしめるのは、やっぱり女性【ネタバレあり】

ABC殺人事件_キャラクター考察_アイキャッチ

アガサ・クリスティの名作『ABC殺人事件』を題材にした推理アドベンチャーゲームの考察です。

今回はキャラクター考察!前回同様、原作との違いをメインに、それぞれの人物像について語っていきます。

※これより『ABC殺人事件』の原作小説、ならびにゲームのネタバレを含みます。ご注意ください。

ABC殺人事件_ストーリー考察_アイキャッチ
【考察】アガサ・クリスティ-ABC殺人事件(Switch)〜Dの事件から見る緻密なストーリー構成【ネタバレあり】アガサ・クリスティの名作『ABC殺人事件』、原作とゲームのストーリー比較考察です。ずっと気になっていたDの事件のキモチワルさや、ゲームオリジナル要素を深掘りしております。...

【キャラ考察】ABC殺人事件の登場人物たち

事件ごとに関連する人物を列挙するかたちで進めます。

A - アンドーヴァー事件

登場人物

アリス・アッシャー

被害者。アンドーヴァーの路地裏で小さな商店(ゲーム版ではタバコ店)を経営している。

フランツ・アッシャー

アリスの夫。毎日アリスに金をせびっては酒ばかり飲んでるろくでなし。事件当初は第一容疑者だった。

メアリ・ドローワー

アリスの姪。アンドーヴァー近郊のとある屋敷でメイドをしている。唯一の肉親である叔母・アリスとの仲は良好。

Aの事件の登場人物たちはほぼ原作もゲームも変わらない描写だったなー。ひとつ気になったのは、原作のアリスは老女と書かれているけど、ゲームのキャラデザはどう見ても40代の足腰しっかりとしたおばさん。老女と呼ぶにはちょっと違和感。

最終的に一番得をしたメアリ・ドローワー嬢

ゲーム版に挿入されている事件の後日譚によれば、メアリ・ドローワー嬢は事件後、Cの事件の被害者の妻であるクラーク夫人のもとでメイドとして働くことになった。

クラーク夫人はもともと末期癌を患っていて先は長くないとされていたけど、メアリ嬢の献身的な介護のおかげでみるみる元気になったらしい。あら不思議。

クラーク夫妻には子供もいないし、この感じだと夫人亡き後クラーク家の莫大な財産はメアリ嬢に譲られるのでは?と思う。

もとを正せばクラーク家の財産目当てにこのABC殺人事件は起こったわけだから、まぁなんとも皮肉。最終的に一番得をした(しそう?)なのは、まわり回ってメアリ・ドローワー嬢ということになりそうだ。

B - ベクスヒル事件

ABC殺人事件_ベクスヒル

登場人物

エリザベス(ベティ)・バーナード

被害者。事件現場近くのカフェで働くウェイトレス。美人で、異性関係が少々だらしない。

ミーガン・バーナード

ベティの姉。ロンドンでタイピストをしている。妹とは対照的に、真面目で理知的な女性。

ドナルド・フレイザー

ベティの婚約者。不動産関係の仕事をしている。ちょっと精神的に不安定なタイプで、ベティのだらしない異性関係に手を焼いていた。

原作とゲームで印象が違うバーナード姉妹

ABC殺人事件_ミーガン・バーナード

Bの事件で一番気になったのは、原作とゲームで被害者であるベティとその姉・ミーガンの印象がだいぶ違うこと。

原作のミーガンは、美人じゃないけどとても頭の良い女性として描かれていて、あのポアロも「100人にひとりといない素晴らしい女性」とかなりの高評価。

もともとベティの婚約者だったドナルドもだんだんとミーガンに惹かれていくけど、ベティが死んで間もないのにこんな移り気でいいのか!と葛藤する様子がうかがえます。

しかしゲームのミーガンからはそんな聡明さがみじんも感じられない。妹が死んだあと、ドナルドとふたりでポアロを訪ねた際には、ドナルドの気を引くためかあからさまに厚化粧だったし(全然似合ってない)、ポアロにも初対面で、本当に妹の死を悼んでるのでしょうか?とか疑われる始末。

逆に妹のベティは、ゲームでは美人だね〜くらいの軽い扱いだったけど、原作ではポアロがミーガン推しなせいか、ベティは頭のゆるいクソ○ッチとなかなかヒドイ言われよう。(ごめんクソ○ッチはさすがに盛りました。でも頭のゆるいおバカさん、くらいのことはポアロ言ってたよ。まあ婚約者いるのに浮気しようとしている時点であながち間違ってはいない。)

なんでこんなに印象が違うんだろうと考えたときに、ひょっとしてゲームではミーガン犯人説もプレイヤーに選択肢として与えて、ミスリードを招こうとしたのかなと思いました。

妹が死んでもそこまで悲しそうじゃない姉、そしてどうやら彼女は妹の婚約者が気になるらしい…。これだけ聞くと怪しさMAXですよね。わたしも最初疑っちゃったしw

しかしミーガンにはれっきとしたアリバイがあるので、犯人候補からは早々に離脱しちゃいます。このあたりももう一工夫あれば、推理の選択肢が増えてもっと面白くなったんじゃないかなー。そうでなければゲームのミーガンはただただ性格悪く改変されちゃったことになるので…。ちょっとかわいそう。

C - チャーストン事件

ABC殺人事件_チャーストン

登場人物

カーマイケル・クラーク卿

被害者。かつて医者として名を馳せていた(ゲーム版では現役っぽい?)。引退した現在は骨董品の収集に没頭している。

フランクリン・クラーク

クラーク卿の弟。兄の右腕として世界中を回り、骨董品を買いつけている。

シャーロット・クラーク

クラーク卿の妻。末期がんで余命いくばくもない。

ソーラ・グレイ

クラーク卿の秘書。若くて美人、仕事のできるキャリアウーマン。シャーロットにはクラーク卿との仲を疑われている。

意外と狡猾なソーラ・グレイ

ABC殺人事件_ソーラ・グレイ

Cの事件も、Aの事件と同じくそこまで登場人物に違和感はなかったです。ただ秘書のソーラ・グレイ嬢めちゃくちゃモテ女だなあと思った。そもそもこのABC殺人事件は、グレイ嬢とクラーク卿の仲がきっかけだし。

原作では、ポアロの相棒ことヘイスティングス大尉がグレイ嬢にメロメロだった。クリスティ先生の作品あんまり読んだことがないので知らなかったけど、ヘイスティングスはだいたい女性に弱いらしい。

そしてゲーム版ではクラーク卿の弟で真犯人のフランクリンが、兄を殺してあわよくばグレイ嬢もゲットしようとしてましたw

しかしグレイ嬢もまんざらでもない感じだったよ。「結婚なんて…そんな…!」みたいなことを口では言ってたけどな。まあ最終的にカーマイケルは殺され、フランクリンは逮捕され、クラーク夫人にはもともと嫌われてたから居場所がなくなり、寂しくチャーストンを去ったらしいです。

ABC - アレクサンダー・ボナパート・カスト

ABC殺人事件_アレクサンダー・ボナパート・カスト

冴えないストッキングの行商人。かつては第一次世界大戦に従軍しており、その後遺症に悩まされている。すべての事件現場で目撃されていること、イニシャルがABCなことなどから、ABC殺人事件の犯人と目される。

ゲーム版のカスト氏は、第一印象からもうあからさまにサイコパスな風貌してましたな。こいつ絶対ヤベーですよっていう、作り手の悪意が詰め込まれた雰囲気。

原作と同じく、最初はこのカスト氏が犯人として引っ張られるんだけど、わたしもポアロ同様、彼が犯人という説には違和感を覚えましたね。

なにが一番違和感だったかというと、こんな風貌のオヂサンに、頭のゆるいクソ○ッチことベティ・バーナードがホイホイついてくわけがないと思うんですよね。むしろキモいとかクサいとか言ってバカにしてそうなタイプ。

まあ他にもいろいろと犯人像に当てはまらないところが多すぎたので、カスト氏は無事に無罪放免となりました。事件後はマスコミからの取材で大金を得られた様子。なんだかんだ苦労人ぽかったし、その後の人生はいいことがあるといいね!

あとがき

はい、というわけで、ABC殺人事件の登場人物について思うところをいろいろと書かせていただきました。

だいぶ好き勝手書いたので、かなり乱雑な文章になってしまって申し訳ない。とくにベティはちょっと言い過ぎてごめんね。でもおもしろいから許してちょ。

なんか他にも書こうと思ってたネタがあった気がしたんだけど、この記事書くのをかなり放置していたせいでもう忘れてしまいました。ぴえん。

書き終えて思うことは、ミステリに登場する女性たちってやっぱり奥が深いなあってことです。犯罪の陰に女あり、とはよく言ったものだなあって感じ。このABC殺人事件でも、わたしの印象に残ったのはだいたい女性だものね。

ADVは考察やキャラクターについて深掘りするのが楽しいので、またちょこちょこ遊んでいきたいです。

全2回の短いシリーズでしたが、お付き合いいただきありがとうございました!また別なゲームの小部屋でお会いしましょう♪

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA